柔道をやり始めると、相手の引き手の強さに驚いたり、切ろうとしても切れなかったりすることがあります。
いかにも力が無さそうな人でも、引き手を切ることが難しく驚く場合もあります。
逆に体がゴツいのに、引き手が簡単に切れる人もいます。
柔道の引き手は、手の握り方にコツがあるから力が無くてもしっかり握れるのです。
因みに握力もあまり関係が無く、古賀稔彦さんも握力は40~50キロ程度だったといいます。
握力があるに越したことはありませんが、普通であれば問題なく引き手を切られることは無いでしょう。
引き手の握り方
引き手は相手を崩し、引き出す重要なものです。
それだけに、せっかく掴んだ引き手を相手に切られるということは、技が掛けられなくなったり、技が中途半端になるということです。
結局時間切れで攻めきれず、負けてしまったりと悔やんでも始まりません。
引き手の肝はその握り方にあります、普通の握手のように、指全部で胴衣の袖を掴むのではありません。
小指と薬指で袖を掴み巻き込むように手首を少し捻ります、この時手のひらを下に向けるといいでしょう。
すると他の3本の指が自然に胴衣に絡むような形になり、上から押さえつけるようにすると、がっちりと固定されます。
これが柔道の引き手の握り方の基本になります。
引き手を強化するには
がっちり固定できたとはいえ、相手を押さえつけ続けると力が入らなくなり、しまいには切られてしまうでしょう。
あくまで、巻き込んで固定するだけで指に常時力を入れてはいけません、疲れてしまうだけです。
がっちり力を入れるのは、技を掛ける時と逃げられそうになったときだけでいいのです。
でも、腕の力が弱かったりすると、袖は掴んでも動かれたり、引き手を切られる結果に繋がることが多くなります。
引き手を強化する必要が出てきますが、トレーニングとしては2つ方法があります。
1つ目は、小指薬指の強化ということで、ゴムボールを親指の根元と指2本で挟んで、何度も潰すといいでしょう。
野球やテニスでも握力強化のために行いますが、あくまで柔道の握り方トレーニングということで、指は小指と薬指の2本だけです。
2つ目は、腕の強化ということで、上から机を押し付けようとすると強化トレーニングになります。
なお、この時、腕は完全に伸ばさず、曲げずと言った具合です。
具体的にはパソコンでタイピングする格好のまま、腕だけで机を押す格好です。
これで手のひらでの押さえが強化されるはずです。
引き手を切られないコツ
最後に引き手を切られないためのコツですが、相手は引き手を切ろうと必死になり、何度も引っ張ったり、足を乗せてきたりと、とにかく切ることに必死です。
この時こちらも切られまいとして、押さえつけようとするとかえって逆効果になってしまいます。
引っ張られたらこちらは押す、押してきたら逆に引くように、逆らわないのがコツになります。
あまり派手に動くとバランスを崩して餌食になるので、深追いはしないほうがいいです。
あまりにも嫌がっている時は、逆にチャンスで、引き手を引っ張って相手がバランスを崩した瞬間に技を掛けることをお勧めします。
体も半身になっていたりして、技が容易に掛かりやすくなっていることがあります。
相手が頭に来ていても、こちらは冷静になった方が得なことが多いので、引き手切りに付き合わないようにしましょう。