柔道には多様な投げ技があり、その数は数十種類にも及びます。
中には見たこともない技もあり、全てをマスターしようとしてもなかなか出来ないのが現実です。
得意技を多数持ち、技のデパートと呼ばれるような人でも、頻繁に使うのは数種類と言ったところです。
因みに背負い投げ一つ取っても、自信を持って投げられるようになるまで数年は掛かるでしょう。
あまりにもマスターするまで時間が掛かってしまったりすると、途中で嫌になり、他の技につい浮気をしてしまいがちです。
でもどうして、マスターするまでにこんなにも時間が掛かってしまうのでしょうか?
マスターするまでに時間が掛かる理由
柔道の投げ技にはそれぞれにやり方があります。
形は似ているが、動きや、タイミングの取り方、力を入れる方向、腕足体の位置関係などが異なるなど、注意すべきポイントがたくさんあります。
一例ですが、背負い投げの場合は、引き手を引きながら釣り手で相手を持ち上げ前方に引き出す。
と同時に相手の股下に潜り込むように、膝を曲げて体を捻りながら入る。
相手を背中に乗せたところで、膝を伸ばし相手を担ぐ、と同時に受身を取るようにし前方に投げる。
とこのように腕や足、体のが流れるように動き、且つ、力も入れる割合を加減するというように注意すべきポイントがたくさんあります。
下手をすると引き手や釣り手の使い方だけで、数週間や数ヶ月掛かってしまうこともあるでしょう。
それらが出来たら、次は足の使い方と言うように、習得するのに時間が掛かる要因になっています。
一般的には、一つの技で国体などで都道府県の代表になるとしたら、3年以上は技のやり方を試行錯誤し研究しないと難しいでしょう。
比較的時間が掛からない技はあるのか?
背負い投げ、内股、払い腰、大外刈りなどのいわゆる大技をマスターするには、それなりに時間が掛かることを覚悟する必要があります。
毎日のように技の打ち込みをし、いろんな相手と乱取りをし、自他共に大丈夫と言う状態になるまで修行僧のように練習することになります。
柔道に身も心もささげる意思があるのならいいのですが、大抵の場合は楽な方向へ逃げるでしょう。
辛い方より楽な道を選ぶのは、人間の性ですから仕方がありませんし、自然だと思います。
では、効率的な技として逃げ道を探した時に、どんな技があるでしょうか?
柔道では相手と組むことが必須で、引き手と釣り手どちらかを持つようになりますが、ここからが技によって異なる部分です。
組んで技を掛ける際に、相手に対して向き合うのか、背を向けるのか効率で考えると、向かい合ったままのほうが余分な動きをしなくて済みます。
相手に背を向けたり、胸をぶつけたりする大技は見ていて豪快だとは思いますが、効率で考えると多くの力を必要とし疲れやすくなります。
うまく入れなかった時に返されるリスクも大きくなることから、出来るだけ動かず、力を使わずして投げられれば一番効率的です。
そのような技としては、小内刈りなどの足技、失敗した時のリスクが大きいですが巴投げなどの捨て身技、が相手と向かい合ったまま技を掛けられるので有効かと思います。