柔道を初めて行った頃、柔道をしている人の体を見てびっくりしたことがあります。
体重の軽い人は無駄な脂肪が無くムキムキ、片や体重が重い人はブヨブヨなのか思いきや腕は太く、力も凄く驚きました。
逆に、あんなに筋肉を付けないといけないのかという思いと、自分に出来るかな、と弱気になったことを覚えています。
でも、まじめに練習をしていれば半年後、1年後には見違えるようになります。
周りの人と同じように投げ技や寝技の練習をしていれば、体つきや筋力は変わりますが、それだけでは勝てるかどうかは別物です。
他の人より、早く、得意技がマスター出来るようにするには、投げ技や寝技に必要な筋肉を付ける必要があります。
ダンベルなどの器具を使う方法
筋肉や筋力を付けるというと、まず先に考え付くのが器具を使った方法です。
手っ取り早く筋肉を付けることができ、力も付けられるので効率的であると一般的には考えますが、柔道の投げ技で使う筋肉は器具では難しいです。
補助的なトレーニングとしてなら効果的かと思いますが、柔道をするのに必要な筋肉は違う方法で付けた方が効率的です。
理由としては、器具でのトレーニングだと方向が固定されるので、その方向で使う筋肉しか強化されません。
しかし、柔道は相手がいますし、止まっていてくれません。
絶えず動くので、その際に使う筋肉も、その都度変化します。
よく言われる例ですが、リフティング50キロ挙げられます、と言う人が、50キロの人間を持てるか?と言うと、全員が出来るとは限りません。
むしろ出来ない人のほうが多いでしょう。
何故なら、相手は生身の人間で、絶えず動くからです。
あくまで、器具を使ったトレーニングは補助と考えましょう。
器具を使わない方法
一番効率的に筋肉を付けるには、投げ技の練習をすることです。
筋肉を付けるのと関係が無いじゃないか?と思われるでしょうが、投げ技を上達したいのでしたらその投げ技を何度も練習するほうが効率的です。
ただ、その技に使う筋肉をもっとパワーアップして、より確実な投げ技、つまり得意技にしたいと思うでしょう。
筋肉は無いよりはあった方が、投げ技を掛けると時に有利ですし、相手をより逃がさず確実性が増すことになります。
より筋肉を投げ技の練習の中で付けたいのでしたら、負荷を増やすことをお勧めします。
投げる相手を抑えていてもらうとか、より体重の重い相手との練習を増やすとか、より自分に負荷が掛かるようにすると筋肉が付き、今までの相手が軽く感じられるようになります。
柔道は、押すのか引くのか
柔道のみの経験者は、押す力より引く力のほうが一般的に強いです。
ベンチプレスよりは、ダンベルの引き上げなどと言うように、物を持ち上げたり抱える方が得意な人が多いです。
それは何故か?
柔道は引く力が殆どだからです。
寝技では、押さえ込まれた際に相手を押して隙間を作ったりするので、押す力が強い人もいますが、立ち技練習のほうが多い人は、引く力が強いようです。
よく考えてみると、押す投げ技は殆どと言っていいほどありません。
チョンと押す程度位しか思い当たりません。
寝技も押さえ込んだり、絞めたりと、攻める場面では押す力は殆ど使いません。
押す力が必要なのは逃げるときだけと言うことになります。
投げ技以外の方法
実際の投げ技での練習以外には、自重や人を使ったトレーニングが有効です。
名目だけですが、参考にしてみてください。
綱を腕だけで登り降り、人を抱っこやおんぶて50m歩く、畳を何十回もひっくり返す、人をおんぶしてスクワット、木登り、綱引きなど。
実際よくやらされましたが、半年後には柔道をするのに必要な筋肉が付き、投げ技に入るにも余裕を感じるようになりました。
同時に瞬発力や筋持久力も付き試合ではバテなくなるという、副産物もありました。
投げ技の練習で行き詰った時に行ってみると、抜け出せるヒントになるかも知れません。