柔道耳はなぜ予防や治し方が難しいのか

柔道をしている人の中には、柔道耳と言われるように耳が変形している場合があります。

よくカリフラワーとか、餃子耳などといろいろ形容されますが、中に入っているのは固まった血液です。

なぜそのようなことになるのかですが、耳が畳や袖で擦られることにより内出血し、時間と共に硬くなり、最後にはガチガチに固まります。

柔道以外に有名なスポーツとしては、レスリング、ラグビー、ボクシング、相撲がありますが、柔道とレスリングは特に柔道耳が多い印象があります。

一度内出血を起こすと自然に治るということが難しく、注射器で血を抜いたり、切開して血の塊を取り除くと言った外科処置が必要になります。

では、どのような段階を経て柔道耳になるのか、予防や治し方はあるのかについて解説していきましょう。

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内出血するメカニズム

耳に血が通っていることはお分かりだと思いますので、内出血する順序を見ていきましょう。

普通の状態なら内出血するはずはありませんが、耳は柔らかいため曲げたりすることが出来ます。

数回程度なら問題はありませんが、数十回、数百回と繰り返し曲げられたり押されたりすると内出血するようになります。

始めは小さい出血ですので、放っておけばじきに治ってしまいます。

しかし、治らないうちにまた曲げられたりしたらどうでしょうか?

治るより先にダメージが加わるので、内出血し続けることになりますが、これが断続的に繰り返されると出血が多くなり、耳が腫れ上がることになります。

因みに腫れあがった状態の耳を触ると、ちょっと熱いかなという感じになりますが、熱を持った状態ということになります。

この状態のうちに、整形外科に行き血を抜いてもらえば、腫れはだいぶ引きますが、少しタイミングが遅くなり冷えてくると血液が固まり始めます。

この状態になると、もう注射器で血液を抜くことが難しくなり形は戻らないでしょう。

これが柔道耳になる過程となります。

酷い場合はどうなるか

耳たぶの一部が腫れている程度でしたら問題ありませんが、耳の孔まで塞がるほどになると聞こえが悪いなどいろいろと生活にも支障が出てきます。

それに何度も耳を擦られたり、曲げられたりしているうちに、耳たぶだけではなく外耳や中耳が引っ張られ炎症を起こすこともあります。

この状態になると、じっとしていても耳たぶや耳の孔が痛くなり物事に集中できなくなるでしょう。

内耳まで影響を及ぼすほどの症状はあまり見たことがありませんが、耳の孔が塞がった場合は周りの音が聞こえにくくなり何度も聞き直すといったことになります。

それに、耳用のインナーヘッドホンも入らないため、音楽を聴くことも難しくなってしまいます。

いずれにせよ日常生活に影響を及ぼす可能性が高くなります。

一生治らないのか

以前は、一度柔道耳になったら元の形に戻すのは難しいと言われていました。

しかし、今では整形外科技術の進歩もありおおよそ元の形に戻せるようです。

治し方としては耳を切開し、中の血の塊を取り出すことで柔らかい耳に出来るようです。

ただ、耳の機能に影響を及ぼした場合は、機能回復は望めませんのでご注意ください。

予防する方法は?

予防方法には2つありますが、1つ目はヘッドギア装着の推奨です。

ボクシングなどでよく見ますが、頭に被せるもので耳の部分が空いており、周りを打撃から守れるような構造になっています。

これを使うことで耳が擦れたり、曲げられたりするリスクを減らせ、結果として予防に繋がります。

2つ目は耳が内出血するような原因を避けることです。

練習を休む訳にはいかないことが多いと思いますが、症状を気にするのであればなるべく要因を断つべきです。

とはいえ大会などが近い場合は、そちらのほうが大事だと思いますので、柔道耳にするか、大会で勝つかどちらを選ぶかはあなた次第となります。

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