柔道の元になった武術として、柔術は良く知られていますが、どのような物だったかはあまり知られていません。
最近、古武術として教えるところも出てきていますが、本来はとても危険な技のオンパレードで現代で使ったら間違いなく人を殺めるほどです。
グレーシー柔術やブラジリアン柔術という名前も聞いたことがあると思いますが、こちらは日本古来の柔術とはまったくの別物です。
これらの元になっているのは”柔道”で、柔道の寝技を主に使用し、アレンジを繰り返すことで絞め技と関節技に特化した武道になっています。
日本古来の柔術とは
日本に昔から存在する柔術は、本来の目的としては人を殺すために編み出された技になります。
日本は昔から、領土争いのため内戦を繰り返してきた民族で、数百年に渡り続いてきました。
それを平和的にまとめたのが徳川家康で、内戦に勝ち領土を治めましたが、各藩を実効支配することで平安を保ってきました。
そんな戦国時代に編み出された技ということで、確実に相手を仕留めるにはどうすればいいのか、ということが考えられた武術ですので危険性が非常に高いものです。
よく時代劇などで助さん、格さんが使っている武術が柔術と考えられますが、空手のような突きや蹴りに加え、投げなども見受けられます。
柔術には突きや蹴りがある
このように柔術は、戦国時代に勝つために編み出された技なので、柔道のような投げ技に加え、空手のような突きや蹴り、手刀も存在します。
なお、空手同様に急所の位置も研究されており、大きな力を必要とすることなく相手を失神や絶命させることも容易となっています。
また、投げ技に関しても、柔道のように背中から落ち、受身が取れる投げ方だけではありません。
逆投げと言って、うつ伏せに投げることで受身が取れない状態になり、重症は免れないという技もあります。
柔術は、このように相手をいかに動けなくするか、簡単に実行できるかを極めた武術ですので非常に危険と言えます。
柔道は柔術の技を再構築したもの
この様に柔術は、危険な技が多く今の世の中で使えば大変なことになる可能性が高いものです。
もしアスファルトの道路上で逆投げをしたら。。。
技を掛けられても、掛けてもどちらの場合でも考えただけでゾッとします。
柔道は、このように現代、といっても明治時代ですが、戦国時代では無くなっていたため不必要とされていました。
それを危険な技を廃し、体力づくりや精神鍛錬に有用なものとして再構築されたものが柔道になります。
講道館を設立した、嘉納治五郎先生が編み出したわけですが、そのような意図で構築されたものになります。
目的が、相手を殺すためか、生かすためかの違いとなって表れた訳ですが、柔道に残された技でも使い方によっては十分危険と考えられます。
使うのは畳の上だけにしましょう。