柔道の投げ技で、体落としと言われる技があります。
体を、落とすと書きますが、実際には相手の出ようとする足を止め、勢い余って前に出る動きを利用して投げる技です。
うまく掛けられれば、キレイに決まり、一本になる確立が高いのですが、払い腰と間違えやすいので注意が必要です。
体落としの掛け方のコツ
まず、相手を斜め前方向に崩します。
引き手と釣り手を使って相手を片足立ちにさせます。
自分の足を、片足立ちした足の膝から下につっかえ棒のような形で遮ります。
相手のすねの部分を自分のふくらはぎに乗せるイメージです。
その状態で、更に相手を引き出すと、つんのめるような形になるので、ちょんと膝の屈伸を利用して足を伸ばせば、勢い余ってクルリと一回転してくれます。
この足を伸ばすコツですが、引っ掛けた棒が横からの瞬間的な力で外れるように、少し曲げた足を瞬間的に伸ばし、バネのようにすることです。
なお、返される可能性ですが、自分の足を相手の前に出すので、足払いを掛けられたりすることも多くあります。
股も開く形になるので、足を抱え込まれ返され易いです。
中途半端に入ると餌食になるので、躊躇せず入るようにしましょう。
払い腰との違い
同じような入り方の柔道技に払い腰がありますが、出した足は相手の膝の前を遮るのではなく、払ってしまう部分が異なります。
それに、体落としは自分の体を低くするのに対し、払い腰は入るときから掛けるときまでそのままです。
体落としを掛けようと体を低くし、掛けてみたものの掛からなかった、という場合には連絡技として払い腰などに移行することもあります。
どちらも連絡しやすい技ですので、コツを掴んでおくと役に立つ筈です。
体落としの危険性
柔道の試合や練習の場面で、体落としの掛け方を間違えると相手に怪我をさせる可能性が高くなります。
何度か見たことがありますが、相手の膝下では無く、膝より上で遮った場合、相手の膝を逆に極める事になるので、脱臼が起こりやすいです。
掛けるほうが体を低くしないことや、強引な投げ方が原因ですが、危険性を把握しておくことが大事です。
万が一膝が脱臼してしまった場合には、完治するまで数ヶ月、場合によっては後遺症が出ることもあります。
サンボのように、膝を極める関節技は柔道にはありませんが、不十分な技で予期せぬ怪我をさせてしまうことは不本意だと思います。
しっかりと動作を確認しながら、正確に入れるコツを意識しながら練習をしましょう。
体落としはタイミング重視
体落としは力よりタイミングが重視されるので、コツを掴むのが大変です。
何度も自分の姿勢や、力の入れ方、力の方向、技を掛ける角度などどれか一つでもタイミングが合わないと、キレイな体落としは実現できません。
それにタイミングを逃して、中途半端になると返し技にも会い易いので、その対策も考えておかないといけません。
すばやく、自分のペースで掛けられるように何度も練習してみましょう。