柔道と言う名前を聞いて、ふと名前の由来は何だろう?と考えたことはありませんか?
日本の武道のみならず、習い事などには、道と付く物がたくさんあります。
武道なら、柔道以外には、剣道、合気道、空手道、居合道など。
文科系であれば、茶道、花道、書道など。
これらのように、日本に古くから伝わる習い事や稽古事は、道が付く事がほとんどです。
では、柔道の名前の由来としてはどのようなものが考えられるでしょうか?
道が付く中で、柔道は歴史が浅い
前述した、道が付いている稽古事は古くから、つまり長い間日本で行われており、伝承されてきたものが多いです。
茶道や花道は、何何流など流派がありますが、現代でも〇〇代当主、とか〇〇代家元などかなり昔から始まったと推測されるものもあります。
剣道、合気道、空手道、居合道はもう戦国時代から引き継がれているもので、古くからの奥義や秘儀などが伝えられているところもあります。
しかし、柔道だけは、ご存知のとおり明治時代に柔術を元に考案された武術ということもあり、古くから伝わる武術ではありません。
柔術の技をアレンジしていることから、伝承と言う意味でも先祖代々などということは出来ず、他の武道とはニュアンスが異なるようです。
一般的に言われている由来
一般的に言われている由来としてはいくつかあります。
① 流派によっては、柔術ではなく柔道と呼んでおり、嘉納治五郎先生も柔術を学んだことにより、その名前を使った。
② 柔術は危険な技が多く、時代と共に廃れる傾向にあったが、技をアレンジし一新したことから柔(やわら)の道とし、柔道と名づけた。
③ 柔術と名が付いていたが、他の武道に合わせて、道を付けた。
④ 発祥の地は韓国で逆輸入されたが名前をそのまま使った。
⑤ 思いつきで付けた。
この中で最も有力な説と考えられるのは、①~③と思われますが、他は信憑性が少ないと考えられます。
なお、講道館を創設したのは嘉納先生ですが、柔道の技を習得し、アレンジすることに協力したメンバーもいたことから、名前をつける際に意見交換などはあったと考えられます。
嘉納先生の独断と言う可能性も考えられますが、文献も言い伝えもはっきりしない今では推測の域を超えません。
いずれにせよ、柔の道を極めよ、と言う意味であれば皆さん納得できるのではないでしょうか。
正式な名称から分かること
あまり知られていませんが、柔道の正式名称は、日本伝講道館柔道、となります。
字を読んで行くと、日本に(昔から)伝わる講道館でアレンジした柔道(柔の道)とも解釈できます。
昔から伝わる柔術のいいところ、危険な技を排除、体を鍛え精神面で成長する、学んだことを世のため人のため使う。
この様なことを願って名づけられたと言う経緯もあるので、昔からの技を絶やさず、形は違えども後世に残せる財産として創設されたのかもしれません。
柔道の名を汚さず、精力善用、自他共栄の教えを忠実に守っていきましょう。