昨今、習い事を子供にさせたいということで英語、ピアノ、サッカー、野球などが人気になっています。
2年後に東京でオリンピックが開催されると言うこともあり、将来はスポーツ選手にしたいと考えている方も多いと思います。
どの習い事でも勉強でも同じですが、子供も大人もミスを叱責されて萎縮しながら、または強制的にイヤイヤながら行うと伸びなくなります。
自ら進んで興味を持ち、楽しんで行うことが上達への近道となります。
柔道の場合、スポーツと同時に、格闘技と言うこともあり、他のスポーツのように笑いながら行うことや、勝った時の派手な喜びを表現することはタブーとされています。
しかし、余りにもその喜んだり楽しんだりする表現を禁止することは、上達する気持ちは半減することにも繋がるのでとても難しい部分があります。
上達を促す技の教え方
幼少期や小学生の頃は、勉強するより体を動かすことが楽しいと言う子供さんが多いと思います。
中には家でゲームをしているほうが楽しい、という子供さんもいますが、どちらにしても夢中で遊んでいます。
ある意味、集中力が最大になり何でも吸収しようと、興味を持って行っている証拠でもあります。
この時期に、興味のあることを学ばせることで大人の何倍も吸収し、自分のものにしよう、もっといろいろ教えてほしいと思うようになります。
ただ、あまりまじめなことばかりだと、子供は興味が無くなり、飽きてしまい、最後は辞めたいと漏らすでしょう。
このような時期には、キツイ、厳しい、嫌だ、と思わないようなことをするのが、本人の成長を促す意味では重要なことです。
柔道と言うことで、受身に始まり、寝技や立ち技と徐々に教えることになりますが、小さいうちに厳しいことを言うのは逆効果ということになります。
子供が、周りの状況を見て判断する力が付くまでは、少々ふざけていたり、笑っていたりしても、多めに見るだけの余裕が指導者には必要だと考えます。
さすがに、ケンカをしだしたり、暴言を吐くような場合には、厳しいことを言うのも必要ですが。
精神や考え方の教え方
ケンカということで、幼稚園や小学生が集まって練習をすると、飽きたりしてくる子が何人か必ずいます。
その子達は、暇になったことで練習に集中せず、他の真剣な子供にちょっかいを出したりするため、ケンカになることもあります。
たとえ自分が飽きてもじっと我慢する、と言うことが出来ないのが、精神面から見てまだ幼稚であるので仕方が無い部分もあります。
それに、ケンカを止めて、お互いにどこが悪かったのか話をさせると、決まって相手のせいにします。
このように、ちょっかいを出す者、出されて逆切れする者は、いつも同じ子供ということが多くあります。
ここで初めて、笑ったりせずに真剣な表情で、厳しく叱ることも必要になります。
時には泣くこともありますが、きちんと理解できるまで諭すことも、柔道を行う上では必要なことです。
この精神的に未熟な部分を治さないと、高学年や中学生になった頃には、反抗期も重なり手が付けられなくなるでしょう。
同時に凶暴な部分が強調され、何でも自分の思い通りにならないと気が済まなくなってしまいます。
柔道は、人間として精神的にも成長するようにとの、嘉納先生の思いの元に創設されているので、この部分を教えるようにすると良いでしょう。