柔道の投げ技である大腰に必要なコツとは?

大腰は、少し特殊な投げ技になります。

内股や払い腰のように、足で相手を跳ね上げたり、足を払ったりして投げる技と異なり、膝の曲げ伸ばしによって投げる技になります。

なかなか得意とする選手を見たことが無く、相手をうまく腰に乗せて持ち上げないと決まらないため、難易度が高い技です。

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足で払ったりせずに投げることは出来るのか?

内股や払い腰のように、相手を引き出し、体勢が崩れたところの相手の足を、自分の足で払って、投げるのが一般的です。

しかし、柔道には足を使わなくとも、引き手や釣り手のみで投げる技がいくつかあります。

空気投げなどもその一つで、相手の体重移動を利用し、引き手と釣り手のみで相手を崩し、そのまま投げてしまう。

形としては合気道の投げに近い技になりますが、柔道でも力を必要としないで投げることが出来ます。

大腰は、空気投げ同様に引き手と釣り手のみを使う技ですが、タイミングと膝のバネが重要な要素になります。

その要素も、習得するには難しいと思わせる要因になっており、掛ける人が少ない理由にもなっています。

大腰の掛け方

まず、引き手と釣り手を使って相手を、斜め前に引き出します。

この時、相手の片足が浮いている状態にするのが理想です。

次に、相手の畳についている足の前に自分の体を移動させ、その足の太もも前面の真ん中あたりに自分の腰(尾てい骨が理想)を当てます。

この時、背負い投げのように、両足を曲げ体を低くします。

と同時に相手の腰に手を回し、腰を抱え込みます。

引き手を引き、相手の態勢を更に崩し、腰を抱えたまま両足を瞬間的に伸ばします。

この、足を伸ばした時の瞬間的なバネによって、態勢が崩れている相手を跳ね上げ、投げてしまうという技になります。

大腰は返されやすい?

と、大腰の掛け方を教えましたが、体勢を崩しやすい技でもあります。

技に入る瞬間、自分の体が開くような体勢になりやすく、後ろに重心が移動しやすい状態になります。

こうなると、自分のほうに覆いかぶさるような形になるので、そのまま倒されポイントを取られたり、押さえ込まれたりしやすくなります。

釣り手を一度離し、相手の腰に手を回す動作も、自分の引き手とは逆方向に体を開くことになるので、重心を常に前に掛け続けないと返されてしまいます。

このような特徴もあるため、より相手を倒しやすい、足を使い、払ったり跳ね上げたりしてトドメを刺す投げ技が好まれる傾向があります。

それにうまく相手の重心を、自分の腰に乗せる必要があるので、バランスの取り方が難しいのも敬遠される要因かもしれません。

大腰は関連技に繋げやすい

と、ここまで難しいとかマイナスイメージを書いてしまいましたが、当然メリットもあります。

大腰から他の技への連携ですが、入り方が背負い投げや釣り込み腰に似ているため、そのまま変化させやすい特徴があります。

また、相手から足の位置が見えにくいので、大内刈りや小内刈りなどの足技を掛けやすく、ポイントに繋げやすいという利点もあります。

逆に、背負い投げや釣り込み腰を失敗し、もう一度体勢を戻す場合には返し技が怖いのですが、戻ると見せかけて、続けて大腰を掛ける。

という2段技も可能になります。

場合によっては、釣り込み腰⇒大内刈り⇒大腰でトドメ。

というように、関連技を連続して掛け続けられるということも可能になるので、大腰一発で倒せない相手には効果的かと思います。

こんなところで、まさか?

と思わせる、奇襲技の一つとして取っておくのも勝つためには必要だと思います。

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