柔道で相手を崩して技を掛ける練習の仕方

柔道で、投げ技を掛けたことがある方なら分かると思いますが、相手がどっしりと立った状態のまま、技を掛けようとしてもなかなか掛かりません。

これは相手が自然体と呼ばれる、重心が安定した状態にあるため、技を掛けるにはかなり大きな力が必要になるためです。

それに相手は投げられないように、踏ん張ることで、より動かせない状態になるので、力士のような力自慢でもないと、もはや動かすことも難しいでしょう。

でも、柔道には、技に入る前に相手の重心を動かす”崩し”と呼ばれる重心を動かす予備動作のようなものがあります。

これを何度も練習し、出来る様になることにより、簡単に技を掛ける事が出来るようになるのです。

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崩しが出来れば技の殆どは完成する

崩しとは簡単に言えば、相手の重心を動かすことを言います。

がっしりと重心が安定した人間を動かすことは難しいと言いましたが、どんな人間でもコンクリートのように完全に動かないということはありません。

試しに、相手を押してみるとどうでしょう。

少しはグラつかせることが出来る筈です。

この少し重心を動かせる事に気付くのが崩しの第一段階です。

さて、相手を押すと後ろにのけぞるか、足が後ろに出ますが、バランスが崩れているので戻そうとします。

この時、タイミングを合わせ、前に引くようにしたらどうでしょう。

今度は前につんのめるような形になり、足が一歩前に出るでしょう。

簡単に言えばこれが”崩した”と言われる動作になります。

柔道の基本的な崩しは前後左右の加え斜めの、8方向あります。

この崩しを、8方向全てきちんと出来るように練習すれば、極端な話、技を掛けずとも相手を転がすことができるようになります。

崩しの練習はどうすればいいのか

あまり柔道道場や学校の部活で、崩しの練習を重点的にしている風景を見たことはありません。

投げ技の打ち込み練習や、乱捕りをして、実践の中で崩しを体感しながら技に繋げることを重視しているからです。

しかし、長年経験してみて分かったのが、崩し方を始めにみっちり体に覚えこませる練習をしておけば、技を掛けるのに苦労が少なくて済むということです。

でも時間的な制約も多いので、崩しだけを何か月も行うわけにはいかないのが現状のようです。

さて具体的な練習方法ですが、まず、崩しの種類がいくつかあります。

押す+押す、押す+引く、引く+引くの3種類です。

これを崩しの基本8方向全てを、体に覚えこませるだけです。

ちょっと地味な練習にはなってしまいますが、相手が動かない状態から、グラつき、足が出て、最後に倒れこむのを体験すると面白く感じるでしょう。

崩しの進化形

崩しの最終的な目標としては、相手が力を入れられない状態に持っていくことにあります。

例えば、前に崩した時に、片足立ちで、しかも爪先立ちになったとします。

既にこの状態では、踏ん張ることが出来ず、後ろからでもチョンと押してやれば、勝手に転がるでしょう。

どんなにマッチョな人でも、大男でも、この状態であれば指一本で転がすことが出来ます。

後ろの場合も同じですが、片足立ちになった時に、よく小学生がやる膝カックン状態になれば、これも同様に勝手に転がってくれます。

この状態まで持っていくことが出来れば、トドメとばかりに技を掛ければ確実に一本が狙えます。

崩しの進化形を身に付けたら、技を掛けることは必要無いかもしれません。

ある意味”奥義”と言っても過言ではないかもしれません。

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