柔道をしていると、あちこちの痛みに悩まされることが多くあります。
首、肘、肩、膝など、体を激しく動かすスポーツだけあって、スポーツ障害は多い印象があります。
その中でも腰に関しては、1番2番に上がるほど痛みが多い箇所でもあります。
では、どのような状況が腰を痛めることに繋がるのでしょうか。
相手の体重もプラスされる
特に背負い投げ系の、相手を担ぐ技を掛ける選手にとっては、ある意味避けて通れないことだと思います。
自分の体重に加え、相手の体重もプラスされることで、腰への加重も増えてしまうことが要因と考えられています。
実際に、背負い投げ、一本背負い、肩車などを得意技とする選手は、腰痛を訴えることが多くなっています。
私も背負い投げ系でしたので、何度か腰を痛め、その度治療をし復帰しては、また故障するということを繰り返していました。
それに背負い投げをしてみると分かりますが、相手を担ぐ前に、相手に対して斜めになることが多く、背骨が真っ直ぐにならないため姿勢としては悪いと言うことになります。
しかし、背負い投げを真っ直ぐの姿勢で入ったらどうでしょうか?
逆に相手を担ぎにくくなり、技がうまく掛からずに、逃げられてしまうでしょう。
ということは、技を掛けるためには、体が斜めになり姿勢が崩れ気味になっても仕方が無い、と言うことになります。
斜めの姿勢を続けているとどうなるか
技が掛かる姿勢になるのは仕方が無いこととして、これを長年続けているとどうなるでしょうか?
腰を痛めた、という症状には主に2つあります。
1つ目は、ぎっくり腰です。
これは、重いものを持ったときに骨がズレたり、筋を痛めたりすることが原因ですが、柔道の投げ技でも無理な体勢で投げた時に発生します。
特に、準備運動もあまりせず体が冷えている時や、暫くぶりに体を動かすなどといった場合には、筋も固くなっているため、ぎっくり腰になりやすいです。
なお、ぎっくり腰は、クセになりやすく、痛みも酷くなる傾向にありますので、一度痛めた後は注意が必要です。
2つ目は、椎間板ヘルニアです。
これは、背骨や腰椎の骨と骨の間の軟骨が飛び出て、神経を圧迫することで、足や腰に痛みや痺れが出る症状です。
自分の体重だけでなく、相手も担いだ状態で、斜めの姿勢を取ると、骨と骨の間の軟骨に加重がかかりじわじわとズレが生じるようになります。
これがあるところまで行くと、急に神経を圧迫するほどの軟骨のズレを引き起こし、神経に当たるようになります。
生活に支障が出るほどの、痛みや痺れや出た場合は外科手術が必要になりますので、こちらも注意が必要です。
予防策として
柔道には腰痛が多いと言いましたが、そのような症状が出ない人もいます。
骨の作りが異なるというのも一因ですが、案外注意不足ということもあります。
考えられる要因として1つ目は、準備運動が不十分ということです。
ぎっくり腰もヘルニアもそうですが、準備運動が不十分で、体が温まっていないときに過剰な負荷を掛けると、筋や筋肉に負荷が掛かることになります。
体が柔らかい若いうちはいいのですが、年齢が上がるにつれ、体が温まっていないうちは硬くなり、限界以上の負荷が掛かると痛めてしまいます。
準備運動をしっかりとし、汗をかく程度までしっかりとすれば怪我の影響を減らすことが出来るでしょう。
2つ目は、悪い姿勢で技を掛けることです。
先ほど背負い投げは、斜めに入ることで技を掛けると言いましたが、明らかに姿勢が悪い体勢で無理をしながら掛ければ、いつかは体が悲鳴を上げることは明らかです。
少しでも自分の技の入り方を研究し、腰などの負担にならない姿勢を意識するようにしましょう。