柔道寝技の縦四方固めで、逃がさないコツ

柔道の寝技には固め技(抑え技とも言う)と呼ばれるものがありますが、昔の戦国時代の名残としてこの技が残っています。

戦の際に、甲冑と呼ばれる防具を着用しますが、この上からだと徒手空拳では歯が立たず、場合によっては拳を痛めることになります。

それに戦いのさなか、ゆっくり相手と戦っている暇などあるはずも無く、一瞬で効率的に相手を仕留める必要が生じます。

その際に、いかに相手の動きを封じ、トドメを刺せるかが重要になります。

昔の戦場での勝ちパターンとしては、相手を倒す ⇒ 動けないようにする ⇒ 甲冑をめくる ⇒ むき出しになった部分に短刀を突き刺す ⇒ 絶命 となります。

この倒して動けないようにする、一連の動作が、現在の柔道の寝技の原型となっているため、寝技が解けた=相手を逃がした、となり無効になります。

逆に30秒間抑えれば、絶命させたとみなし、一本となるわけです。

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縦四方固めは初心者向き

さて、初心者の頃に教えられる入門の固め技として、袈裟固め、横四方固め、上四方固め、縦四方固めが一般的です。

理由は簡単で、初心者でもコツを掴みやすく、ある程度の力や体重があればそのまま使える技になるということです。

実際に練習や試合などでも多く見ることがある技ですので、全て覚えておくと有利になるでしょう。

この中でも縦四方固めは、簡単に出来る基本的な技として扱われており、覚えやすいでしょう。

入り方ですが、ます相手の片腕を挙げさせて、挙げた腕と首を自分の両腕で抱え込むようにします。

場合によっては、そのままガッチリ締め付けてもいいでしょう。

胴体は相手にそのまま覆いかぶさる形で、自分の体重を掛けるようにします。

下半身は、両足を相手の足の外側から、膝裏に回し、足首でふくらはぎに引っ掛けるようにします。

これで相手は身動きが出来なくなるはずで、特に力が無い、自分より小さいなどと言った場合はかなり有効で、そのまま一本になることが多い技です。

しかし、相手が力がある人や、自分より大きい人、経験を組んだ熟練者となると、なかなか通用しません。

熟練者には逃げられやすい

力がある人は、下からでも力任せに腹や胸の部分を押してきたりして、離れることが可能です。

これは縦四方独特の抑え方が起因していますが、自分の足と腕全てを使うことになりますが、対して相手は腕が一本自由になっています。

この時力が無ければどうと言うことはありませんが、力がある相手だと結構やっかいなことになります。

体を押されて隙間が出来、そのまま返されることもしばしばとなってしまうでしょう。

自分より大きい人の場合は、特に下半身の押さえが不十分になることが多くなります。

自分では膝裏を押さえたいのだが、足の長さが違いそこまで届かないと言うことになります。

そうなると膝裏からふくらはぎにかけての引っ掛けが弱くなり、相手が足を伸ばしただけでも外されてしまいます。

最後の熟練者ですが、これは当然逃げ方を知っており、力ではなくコツを使い一瞬で返されてしまいます。

このように縦四方固めは、簡単に出来る反面、逃げられるコツがあるので、この技のみで抑え続けることは難しいと感じます。

逃がさない方法

とはいえ、せっかく覚えたのだから極めたいと思う方もいるでしょう。

では、逃がさないために有効なコツをひとつご紹介しますが、それは相手の動きを見えるようにすることです。

縦四方の欠点としていくつかありますが、一番は相手の動きが見えないことが最大の欠点ですが、いち早く相手の動きを察知して動こうという狙いです。

基本形は、上半身が肩固めのような形になってしまうため、相手の動きを自分から見ないことになってしまいます。

これでは、相手の動きが分からず、反応が遅れることになり、気づいたときにはもう返されていた、と言うことにもなりかねません。

ということで、下半身はそのまま固めておき、上半身は腕一本を押さえつけたり、帯を巻きつけ動かないようにするなどして、相手の動きが見える体勢にします。

下半身で足を絡めているので、よく見る総合格闘技のマウントのような形までとは言いませんが、上半身はいつでも相手の動きに対応できるようにしておきます。

相手が体を捻ろうとしたら逆側へ押し戻す、ブリッジをしようとしたら首を絞めて潰す、などいち早く相手の逆を突くことが出来ます。

基本的な形の縦四方固めは、正直言って隙が多いので、より逃がさない形にするには工夫が必要です。

研究を重ねて、自分だけの縦四方固めを作ってみるのもいいと思います。

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