柔道の技にある背負い落としの掛け方

柔道の投げ技に背負い投げがあるのは、ご存知の方も多いと思いますが、背負い投げの変形技に”背負い落とし”というものがあります。

基本的な背負い投げは、引き手と釣り手で相手を引き出し、膝を曲げて相手を担ぐ格好になりますが、主に一発で掛からなかった時に掛ける技です。

柔道では大技一発で掛からない、と言うケースがいくつかありますが、今回は2つのケースについてご紹介しましょう。

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相手を前に引き出せなかった時

これはよくあるパターンですが、背負い投げを掛けに行ったのはいいが、十分に相手を引き出せず、バランスが後ろに行ってしまった時。

つまり、自分の体の重心が後ろにあり、尻もちをつくような形になりそうな時です。

柔道の試合でも乱取りでもありがちですが、引き手と釣り手両方を十分持てず、片手だけで引き出そうとすると相手を十分に前に引き出せないことが原因です。

引き手を切られたり、釣り手を持たせてくれなかったりと、試合などでは基本形に持ち込むことも難しい場面は多くあります。

このように、引き手や釣り手が不十分なままだと相手は後方に逃げ易くなりますが、背負い落としはこの場面で掛けることになります。

相手が後ろに逃げようとした時、自分の体も引っ張られて後ろに重心が移動しますが、すかさず相手の足の外側に自分の足を曲げて膝を付くような形にします。

礼として右投げの場合ですが、流れとしては次のようになります。

①背負い投げ ⇒ ②引き出し不十分で失敗 ⇒ ③後ろに重心が移動する ⇒ ④相手を引いたまま体を落とす ⇒ ⑤相手の右足の外に足を出す ⇒ ⑥体を捻り投げる

重要なポイントとしては、④は相手を自分の背中にくっつけるように全体重を掛けます。

④と⑤は同時に行い、⑤は相手の足を引っ掛けるようにしてください。

⑥は前回り受身の要領で、斜め前より真横に投げるというよりは転がすイメージで掛けたほうがいいでしょう。

相手に潰された時

もう一つは、背負いを掛けたが、相手に覆いかぶさられ潰された形になった時です。

既に、両膝が畳に付いているなど、膝の屈伸が出来ない状態になっていることが多い状態です。

この状態では、片足を相手の足の前に出すことがかなり難しいので、足を出す背負い落としは使えません。

となると、自分の体で使える部分は腕になりますが、相手の足を手で掴むか、引っ掛けるかすることになります。

例として右投げの場合で説明します。

①背負い投げ ⇒ ②相手に潰され失敗 ⇒ ③相手を引いたまま体を落とす ⇒ ④釣り手で相手の右足を掴むか、引っ掛ける ⇒ ⑤体を捻り投げる

ポイントは④の部分ですが、そのまま体を捻っても投げられますが、より確実に相手を逃がさない意味では、掴んだほうがいいです。

掴む部分は足、と言いましたが、胴着のすそでも構いません。

ポイントとしては、確実に相手の足を逃げられないようにすることが大事です。

背負い落としが使えないケース

背負い投げに失敗し、背負い落としに行こうとしたら掛けられなかったということもあります。

相手の反応が早い、運動神経のいいタイプに多いのですが、柔道の投げ技を察知して逃げるのがうまい人には、経験上通用しないことが多いです。

相手の運動神経を上回ればいいのかもしれませんが、そんなに簡単には出来ません。

そんな時には、掛けると見せかけて他の連絡技に移行したほうが、相手には”まさかここで”と意表をつく形になるでしょう。

一例ですが、背負いを何度か掛けて”こいつはこのパターンしかないな”と思い込ませる。

思い込んだ頃合を見て、違う技を出してみると、結構あっけなく掛かることが多いので試してみるといいと思います。

背負い落としは、よく二段技と言われますが、他の三段技も準備しておくと効果的です。

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