柔道のポイントには”一本、技あり、有効”があります。
国際選手権やオリンピックなどでは”効果”もありますが、それぞれ柔道技の効果の程度の違いを表したものになります。
ですので主審が”一本”と言っても、副審が”技あり”と判断する場合もあり、ある程度は審判の裁量に左右される部分でもあります。
試合をしている当人からすれば、納得できない判断になることも多くありますが、立ち技においてその傾向が強いようです。
立ち技での基準
いくら審判の裁量の違いとはいえ、ある程度は判断基準となるものがあります。
まず立ち技の場合になります。
一本は、”相当の勢い、あるいははずみで、だいたい仰向けに倒したとき”とあります。
技ありは、”完全に一本とは認め難いが、いま少しで一本であるような技のあった場合”で技あり2回で”合わせて一本”になります。
有効は、”相手を仰向けに転がした場合”となっていますがこちらは何回有効を取っても勝負ありにはなりません。
因みに”効果”は、国際試合などで存在しましたが、リオオリンピックでは無くなっていました。
廃止になった理由は諸説ありますが、ポイント狙いで小手先だけの試合をし、ポイント先取すると逃げに回ってしまう、というのが有力なようです。
確かに、ポイントを先に取ったからと言って、逃げ回って勝ってもうれしいのか?と聞きたくなってしまいます。
なお、補足ですが有効が廃止になるのでは?との話もありますが、ルールがよく変わるようですので注意しましょう。
寝技での基準
寝技も最近国際ルールが変わっておりますが、講道館ルールの場合で説明いたします。
寝技の固め技では明確に秒数が決まっていますので、判断の違いが分かりやすくなっています。
一本は、押さえ込みで30秒、もしくは技ありを取っていれば25秒以上。
関節技、絞め技では参った、もしくは、それぞれ折れた状態、失神が該当します。
技ありは、押さえ込みのみに存在し、25秒以上となります。
有効は、これも押さえ込みのみで20秒以上となります。
寝技の場合は、判断がはっきりしているので分かりやすいと思います。
国際ルールの変化と狙い
元々、柔道は日本発祥ですが、東京オリンピックで正式種目に採用されてから世界の柔道になりました。
と同時に、日本が主導してルールを誇示する訳にも行かなくなり、どんどんルールが改正されています。
記憶に新しい、柔道着の色分けや、効果の廃止(2020年東京オリンピックでは有効も廃止)など、もう日本従来のルールは無いに等しくなっています。
しかし、きちんと技を掛け、一本を決めるために鍛錬する、とすれば、日本柔道が出来た頃の考えに近くなるため、あながち間違いではないと思います。
やっている当人からすれば、ポイントが取れなければ判定になるので、気持ちも穏やかではないかもしれませんが。
最近は少し技を掛けないでいると、指導や注意をもらう場面が増えてきていますが、消極的な態度を改める意味でも有効性はあると思っています。
とはいえ、日本国内で柔道をする場合は、講道館ルールが基本ですので、大きな変化は無いと思っていますが、きちんと確認をしておいた方がいいです。
何事も知らなかったでは済まされない場合もありますので。