柔道には、返し技が無い投げ技はありません、どの投げ技にも必ずと言って良いほど返すことができます。
でも、返せるといっても、よほど掛けられた瞬間に反応しないといけなかったり、掛けられた後から対応しても十分間に合ったりするように違いがあります。
今回は、何をやっても返せないような強い技とケースについて述べたいと思います。
身長の高さでの違いによる一例
まず、身長による違いですが、例として選手AとBをモデルにします。
選手Aは身長160センチで得意技は背負い投げ、選手Bは180センチで得意技は大外刈りだとすると、身長差は20センチということになります。
まず選手Aから見ていきましょう。
選手Aは、背負い投げが得意ということで、相手の股下に潜り込み、一気に持ち上げて投げるのが得意です。
この時、相手の不意を付いて素早く入り込み、引き手や釣り手も十分で持ち上げればほぼ100%の確率で投げることが出来るでしょう。
では逆に返される場合としては、技を掛けることが想定済みで、潰しに来たり、股下に入る前に横へ逃げたりされた場合です。
このような場合は、技が成功する確立は低くなるでしょう。
選手Bの場合は、大外刈りが得意ということで、相手の奥襟を取り覆いかぶさるようにすることで、相手の自由を奪い足を刈ってしまうのがセオリーです。
十分に相手をひきつけ、状態を半身にした時点で投げられる確率はほぼ100%となります。
逆に、相手が逃げ回ってなかなか引きつけられなかったり、引き手や釣り手が不十分だったりすると確率は下がります。
このように、完全に掛けた技が決まる場合は、タイミングや掛ける技に必要な要素など、その人の必勝パターンに必要なものが揃った時が、もう返されないほどの強い技を掛けられる時です。
逆に少しでも条件が揃わなかったりした場合は、技が掛かる確率が下がり逃げられる確率のほうが上回ることにもなりかねません。
よくある話ですが、返されないほどの強い技はよほど練習をし、いかに自分のテリトリーに入れることが出来、必勝パターンに近づけられるかがカギとなります。
返されない技と返し技
技を掛けても絶対に返されない、技を掛けに来たら絶対に返す。
このように書くとどちらが本当なのか?と思われるでしょうがどちらも本当です。
矛と盾の話と似ていますが、絶対に盾を砕く矛(剣)と絶対に砕けない盾のどちらが本当なのか?というとどちらも本当ということをどこかで聞いたと思います。
これと同じで、柔道の技もちょっとしたタイミングや注意の違いなどで結果は変わってしまうということです。
技を掛ければ絶対に返されず、どんな人からも一本が取れるという人もいません。
しかし、人より練習をし研究をすることで技を確実に決める確率は高くなるでしょう。