柔道では、力や柔軟性、瞬発力などが必要なのは言うまでもありませんが、時として筋力を付ける必要があります。
その際、真っ先に思いつくのが、”ウエイトを使った器具”を思い浮かべると思います。
その中でも代表的なのがベンチプレスです。
よく野球部などでは、毎日の練習メニューに取り入れているところも多く、100キロやそれ以上挙げるという怪力も存在します。
柔道でも、押す力が必要になりますが、一概にベンチプレスが何キロ挙げられるようになれば大丈夫というボーダーラインなどは存在しません。
それは、押す力がいくらあっても、柔道で勝てるとは限らないからです。
柔道は押す力よりも引く力が重要
柔道の投げ技に関して、押しながら掛けるよりも、圧倒的に引きながら掛けることが多いことに気付くと思います。
これは相手との距離に関係しますが、相手との距離が離れている、つまり密着していないということは、技が掛けにくいと言うことになります。
どの投げ技でもそうですが、相手を引きつけて、体を密着させ、相手の重心を崩し、技を掛けて投げると言う動作になるので、引く力が重要になってきます。
寝技でも同様ですが、押しながら掛ける技というのはあまりありません。
抑え技、絞め技、関節技などでも極一部かと思います。
ということは押す力は柔道にとって必要が無い、という極論にもなります。
押す力は瞬間的なものが必要
押す力は柔道には必要が無いと言いましたが、攻めている時、技をかける時には必要がありません。
しかし、相手が投げ技を掛けてきたのを押し戻す、寝技で押さえ込まれそうになるのを押し返す、などの場合は押さないで引いたのでは負けてしまいます。
このように相手の攻めを防いだり、抑え技を返す時などには押す力が必要不可欠になります。
この時、押す力が相手の力より小さかったら、当然投げられたり、押さえ込まれたりしてしまうでしょう。
でも、この時にもベンチプレスで何十キロという力は必要ありません。
必要なのは瞬間的に押す力で、瞬発性のある押す力になります。
柔道では、じわっと押すより、一瞬で開放する力が必要で有効性があると言うことになります。
ベンチプレスの必要性
ベンチプレスでの怪力は必要ないのか?というと否定はしません。
ベンチプレスを毎日行うことは構いませんが、違う質を目指して練習すれば良いと思います。
先ほど瞬発性のある押す力と言いましたが、ベンチプレスをする場合は、重いウェイトをじっくり時間を掛けて挙げるのではなく、なるべく速い動作で挙げることが重要になります。
とはいえあまり重いウェイトで瞬間的に行うと、筋肉の断裂などを起こす可能性があるのでお勧めできません。
ウェイトは軽めで、練習し回数を増やす様にしたほうが効率的です。
もっと瞬発性を高めたいのでしたら、腕立てジャンプをお勧めします。
これなら自分の体重程度の負荷なので、筋肉を傷める心配も少なくなり練習することが出来ます。
究極は、腕立てジャンプだけで起立できるようになると、押さえ込まれても一瞬で抜け出すことが出来ます。
ベンチプレスもいいですが、瞬発的な力を付けるようにしたほうが役に立つと思います。