柔道で”抜き勝負”と言うものがあります、他の武道では剣道などでも同様の言い方をする場合があります。
これは俗に言う団体戦で行われるもので、通常は、先鋒、次峰、中堅、副将、大将とそれぞれが1対1で戦い、勝ってもその対戦で終わりというのが通常のやり方です。
対して抜き勝負は、一人が負けるまで何人でも対戦できるという特例の対戦形式になります。
例えば先鋒が、相手チームの大将まで負けるまで対戦可能ということで、よく何人抜きなどとも言われます。
最近はあまり見なくなりましたが、中学高校などの伝統ある柔道大会などでは、まだ見ることが出来るようですので一見してみるといいでしょう。
通常の団体戦との違い
違いとして対戦相手が一人なのか、勝てば大将までなのかの違いといいましたが、そう簡単に先鋒が大将まで全て勝つというのはありません。
それもそのはずで、いくら弱小チームといわれる相手でも練習をしているわけで、一人で5人相手するということは疲労も予想以上と言うことになります。
それに、柔道も中学高校レベルになると、一般的には先鋒から大将になっていくにつれ、体重も重く体も大きくなっていくことが多いです。
それ故に、小さい先鋒が体重差のある相手を3人も4人も倒し大将にも勝つ、というのは現実味に欠けると言う訳です。
世界レベル一人と中学生なら分かりますが、現実はそんなに甘くないということです。
剣道の場合はどうか
同じ抜き勝負のある剣道ではどうでしょうか。
あまり体重が重い選手が居ないスポーツですが、それ故にどの選手も俊敏性と動体視力は長けているため練習量で差がつくようです。
ただ、つば競り合いや弾き飛ばすこともあるので力がある選手が多い印象を持ちます。
さて試合でも技だけでなく、力も関係するようで、何人も勝ち抜いた人を見たことがありません。
やはり、剣道でも5人抜きを達成することは容易ではないようです。
抜き勝負の醍醐味
抜き勝負で一番の見所はやはり、多人数抜きでしょう。
一人や二人ならよくあるかも、と言ってあまり興味が出ないかもしれませんが、3人目ともなると会場の注目度も一気に高まります。
それが体の小さな選手で、体重差も身長差も跳ね返しての結果なら、もしや5人抜き達成か?とワクワクしてくるでしょう。
そのワクワク感が、試合をしている選手だけでなく、見ている観客も同様に期待できるというところだと思います。
まれに、重量級キラーと呼ばれる選手を見ることがありますが、かなり研究している様子で、動きの癖をうまく利用しています。
そのような選手が何人抜き中と聞くと、もしやと期待させてくれるだけでも見に行ってよかったと思えます。
今度の東京オリンピックでも柔道には男女混合の団体戦があります。
残念ながら抜き勝負では無いようですが期待したいと思います。