柔道を学ぶために、通常は、相手がいる道場なり部活動なりを選ぶと思いますが、まれにそのような環境が無い場合があります。
その場合、独学で学ぶことは可能でしょうか?
答えは”不可能”だと思います。
理由はいろいろありますが、よく言われる実例を挙げながら説明していきます。
相手の動きを体感することが出来ない
柔道は乱取り、空手は組み手、剣道は地稽古と、どの武道にも、相手に対して技を掛ける練習があります。
これは相手との間合い(距離感)やタイミング、力加減、バランスなどを体感するのが目的になります。
それに相手は生身の人間ですから、じっとして動かないと言うことはありません。
絶えず動いたり、フェイントを掛けてきたり、場合によっては殺気を放ったりと、相手があってこそ感じられるものがあります。
一人で行う、相手をイメージして動いたり、一人で技を掛けるふりをしたりという練習方法もありますが、あくまで相手がいる時のための練習になります。
結局は一人で練習するには限界があり、相手があって始めて上達すると考えたほうがいいと思います。
一人で緊張感の無い練習をしても、あまり効果は無いと感じます。
似たような事例
昔は、空手や中国拳法、古武道などの技の本が多数出ていましたが、実際に面白がって購入したことがあります。
ただ、組み手など相手が必要になる部分はどうにもならず、結局は突きや蹴りなどの技を鍛錬するのみで終わってしまいました。
空手の防御も上段、中段、下段と受けがあります。
形は何とか真似が出来ても、実際に蹴りや突きを受けると、衝撃で腕が痺れてしまい攻撃などに転じることは無理でした。
このように、実際に相手の攻撃を受けて、必要な筋肉がどこなのか、どうすれば痺れないようにできるのか、など学習していくと考えています。
見た目だけの練習は踊りにしかならず、実用性は無いでしょう。
YoutubeやVRでの可能性
独学で完璧に柔道を習得するのは無理ですが、技を見て勉強したいというのでしたらYoutubeを見ると言う手があります。
柔道の技の掛け方、タイミング、引き手釣り手の引き方が一目瞭然ですので、自分の技の入るところをビデオに撮って比較すると効果的です。
最近はVRで、いかにもその場面にいるような感覚を味わえる装置も開発されています。
しかし、柔道のように胴着を掴んだり、引いたり押したりと言った臨場感を完全に再現するにはまだ何十年も掛かるのでは、と思います。
この臨場感が完全に再現できるようになれば、独学で柔道を覚えるのも夢ではないかもしれません。
まだ、そのような状況でも無いので、柔道をマスターしたいのでしたら、独学は諦めきちんと道場なりに通ったほうが効果があると思いますよ。
独学で学ぼうとするのはなぜ
柔道は独学で学ぶには難しい、と言いましたが、人付き合いが下手だったり、部活に入りたいが嫌な人がいるとか理由があると思います。
部活は気軽に入れる反面、辞めにくかったり、上下関係が厳しく理不尽な要求をされたり、とマイナスイメージがあるのも否めません。
そんな時は、月謝を取ってきちんと教えてくれる道場に通ったほうがいいです。
お金を払う分きちんと教えてくれることが期待出来、壁にぶつかった時のアドバイスも的確にしてもらえます。
独学ではなく、少しでも人を相手することで上達できることに繋がるので、自分のストレスにならないところを選んだほうがベターです。